少女時代 7/14





それからは
決められた道を辿るように
ショーが進んだ
ウルフマン・リブス・ラムス・
トラスカにハンス・ハンズそして

…ラーテン・クレプスリー

隣とダレンを見ると
目を輝かせて蜘蛛の
マダムオクタを見ている

私は最後の見納めだと
信じてじっとラーテンの顔を見た
よくよく見るとやっぱり
ラーテンは凄く素敵だ

フフッ頬の傷を見てつい
口角上がったのは誰にも
気付かれてないだろうね

何時の間にかラーテンは
フルートを取り出して吹き始めた
そのあまり上手くないフルートの音を
そっと心に焼けつけた

ラーテンとマダムオクタの演目が終わり
一時休憩のアナウンスと共に
消えていた会場の灯りが
足元を照らすように灯された

「あぁ…もう終わりか…
もうちょこっと
やってくれればいいのに…」

興奮冷め遣らぬままの
ダレンが残念そうに呟いた

「フフ、ダレンみたいに
蜘蛛が好きな人
ばっかりじゃないんだよ?」

文字で表すのなら(・3・)って
顔をしているダレンが微笑ましくて
笑ってるといつの間にか
近くにリトルピープルが来ていた

「あっ!マダムオクタのキーホルダーだ!」

さっきまで(・3・)って顔をしていた
ダレンの目が一瞬にして煌めいた

リトルピープルが言葉を話さないのは
その前に来たリトルピープル達で
知っていたダレンは、
「はい!3$!」ってだけ言って
キーホルダーと交換にお金を渡した

「私もそれ下さい」

私が3$を差し出すと
マダムオクタのキーホルダーが
私の手に乗っけられた

「ラナが買うなんて珍しいね?
蜘蛛嫌いだから
買わないかと思ったんだけど」

“マダムは特別なんだよ”
なんてダレンには言えないから

「キーホルダーは可愛いと思ってね」

って適当に誤魔化して
持ってきた小袋に
キーホルダーを入れた



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