少女時代 2/14





ここはどこだろうか
周りは水に囲まれ
ているみたいだけど
息はできるし

でも目は開けない
それでもとても
暖かくて幸せな場所に感じた

遠くで声が聞こえるけど
何て言っているのか分からない
けれど、なぜか声を張り合って
喧嘩をしているみたいだった

…何だか悲しい

それから私は
長い時間ずっとこのままで
もう私はずっとこのまま
過ごすんじゃないかと
思い始めた頃

…私は産まれた

―――――――
――――――
――――

あそこはお母さんの
体の中だったんだ…
そう思いながらも
いきなり吸い込んだ空気に
むせ込んで泣いた。

どうやら私は産まれ
変わったみたいだ

「可愛い女の子ですよ」

…聞き取る限り英語みたいだ
…よかった前世で
英語勉強しといて
正直こんな所で役に立つ
とは思わなかった

妊婦さんが私を女の人に受け渡す
私を受け渡された女の人は
苦し気な顔で私を見ていた

「あぁ…私一人でこの子を
ちゃんと育てないと…
でも愛してるわ…ラナ…」

…ラナは…
雰囲気的に私の名前かな?
個人的に気に入った響きの
名前で何だか嬉しい

それにしても私には
父親が居ないみたいだ
それでもお母さんは
私を産んでくれた

…今度こそ私は長生き
出来るのかな…
そう考えながらも
眠気が襲ってきて
私の意識は深く沈んだ



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