nicht wichtig 1/5





知的で洗練された振る舞いをする
大人達の間を私は
失礼にならないように通り抜け
御父様の居る場所を目指して歩いていた

少し歩いた所で目線にようやく
御父様を見つけ、御父様も私を見つけ
たのか、こっちへおいでと
手招きをしていた

「御父様、御呼びとの事でしたが
どうなさいましたか?」

「あぁラナに紹介して
おきたい人が居てね」

御父様にエスコートされて座った椅子の
前には度々父が招くお気に入りの
音楽家のドヴォルザーク氏と
何方か分からない殿方が
座ってらして御父様に目をやると
笑顔で紹介してくださいました

「こっちはラナも知っているね」

「えぇドヴォルザーク様
御久し振りでございます」

「あぁ久しぶりだねラナ
いい加減君もピアノを習得する気に
なったかい?」

「いえいえ、まだ私には
絵画だけで精一杯です」

只でさえ絵画だけでも精一杯なのに
これ以上は無理です
ヴァイオリンは嗜む程度には出来ますが…

「フフ、ドヴォルザークはどうしても
君にピアノを教えたいようだ
さ、ラナこちらは初めて
会っただろうバー・ホーストンだよ」

バー・ホーストンと呼ばれた
彼をふと見た瞬間私は
雷に打たれたように
心が跳ね上がりました

「は…初めましてラナと申します」

心臓がバクバクするまま
話してしまった末少し
噛んでしまったのは
仕方なかったと思います

「あぁ…お初にお目にかかる
紹介された通り我輩の名はバー・ホーストンだ」

握手をした瞬間憶測から確信に
あぁこれが御母様がおっしゃっていた
一目惚れと言う物なのですね

ドヴォルザーク様も御父様も何故か
そんな私達を見て笑っていらして
ホーストン様はそんな二人に
抗議をし始めてとても3人は
仲が良い事がよくわかりました

「ホーストン様はどんなお仕事をして
らっしゃるのでしょうか?」

「ハハッ、ホーストンの仕事か」

御父様とドヴォルザーク様は何故か
耐えきれないように笑い

「ホーストンは博識家でねドヴォルザークや
他の音楽家、はたまた王様に
色々な世界の話をして
暮らしているんだよ」

と言う事でしたら

「…口伝伝承と言う事でしょうか?
素敵ですね!宜しかったら
私にも御話を聞かせてください」

「あぁ、それはいい提案だ
ラナ、でも今日はもう遅い
ホーストン折角だ別の日に私の
可愛い娘に話しを聞かせてやってくれ」

御願を聞いてくださるか
心配でホーストン様を見ると
辺りを見渡してから恥ずかしそうに

「わかった」

とだけおっしゃって下さりました




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