運命の帝王 12/16





地面に叩きつけられた私に
そっとエバンナが近付いて来てくれて
毛布をかけてくれた

けどエバンナは私の姿を見て驚いた

「アジア人のようだけど
間違えちまったかね…?」

じっくり私の顔をエバンナが覗きこんだ

「確かにラナだ
前世はあんたアジア人だったんだね」

何か喋ろうと思ったけど

「ぅっ…」とか「ぁっ…」とかしか
喋れなかった

人間は喋らないとこうなるもんだと
ちょっと感動した

「無理に喋らなくていいんだよ
後数時間たたないと湖の力が
完全に消えないからね簡単な
音から話してみたらどうだい?」

うーん英語よりも日本語のほうが
話せそうだから
とりあえず日本語を練習しよう

一通りあ行からわ行まで一通り
言ってみて色々単語も喋ってみた

「エバンナ、エバンナは日本語分かる?」

とりあえず完璧に日本語は
喋れるようになった

「あぁ何処の言葉でも分かるよ
さスープをお飲み」

差し出された皿を受け取って
スープをいっきに胃袋につめこんだ

「さてラナ自分の事は
よく覚えているかい?」

「はぃ勿論」

ある程度細かい所まで
エバンナに話すとエバンナは
安心した笑顔を見せた

「皆はどうなりましたか?」

「バンパイアもバンパニーズも
和解に向かってるよ
ガネンとバンチャが先頭に立って
頑張ってくれてる」

「そっか…よかった
…ダレンは…?どうしてる…?」

きっと私達を憎んでるんだろうにorz

「お前達が居なくなって悲しんでたが…
今はなんとかやってるよ
サッカーボールをバンパイアマウンテンで遊んでは
色々散らかしてシーバーに怒られている
事が多いね」

うん…元気で何より

「それで…私を湖から出したのは
何かしら父上と取引をしたから…
だよね?エバンナ」

「あぁ良く分かっているじゃないか」

「赤ちゃん…大切に育ててね
私はエバンナも双子の幸せも願ってるから」

「…あんたがそんな性格だから
運命をねじ伏せても怪物が
解き放たれなかったのかもしれないね…
さ、移動するよ分かっていると思うが
はぐれるんじゃないよ」

「…姉上…」

「どうかしたかい?」

「暗いの嫌いだから
姉上にくっついててもいいですか?」

だって怖いんだよ!!
あんだけ暗い所に居て何にも
なかったけど暗い所は嫌いなんだよ

「あぁ構わないよ
しっかりつかまってな」

少しの間束の間の
トトロタイムを味わいました




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