真夜中の覇者 4/9





「それより…あの二人は何で喧嘩してるの?」

血を飲み終わったカーダに聞いた

「あぁ、あの×××の旦那の事を
サイラッシュが悪口を言ってしまって
結構前から口論していたんだ」

スティーブの悪口ね…まぁ普通言うわな(←
言って行動最低だもんねー

「サイラッシュ、×××こっちに来て?」

結構大きめで言った私の声は
二人に聞こえたっぽくて
二人が走ってこっちに来た

「ラナ、やっと
起きたのですね…よかった…」

「姉さん…よかった…
このまま死んじゃうと思ったわ…」

うん…普通は死ぬだろうけどね…
主人公だから筆者の都合で死なないんだよ☆

「で二人はそんなに喧嘩しないの…
×××、スティーブが好きなのは分かるけど
どっからどうみてもスティーブの行動は
あれは無いって思うよ…?」

×××は俯いて

「本当はそんな事…
昔から気付いてたわ…」

ってだけ言った
そんな彼女に姉らしく頭を撫でてあげた

「さ、もう私は大丈夫だから
ダリウスの話をしようか…?」

「うん…」

其れから話し合いが始まった

「私の意見ではダリウスをバンパイア
マウンテンにつれて行くべきだと思う…」

もうスティーブにダリウスを殺さないと言う
保障は無くなった訳だし…

「あぁそれは俺も賛成だが…
俺達は使命がある…誰が連れて行くんだ?」

カーダが言ってる事は正しいけど…
「私はサイラッシュに連れて
行って貰うのが最適だと思う」

「なっ私ですか?!」

サイラッシュが物凄い嫌な声を出した

「結局私はやる事もあるし
カーダでもいいけど…」

カーダを見た瞬間物凄い
ドスの効いた笑顔でこっちを見てきた

「私が怖いから嫌…」

×××とサイラッシュがこいつ駄目だ
的な顔で観てきたけど知らん

「うん、勿論サイラッシュ、
君が連れて行ってくれるよね?」

サイラッシュもカーダのお願い(命令)は
逆らえない訳で渋々

「分かりました」

と返事が返ってきた

「それでね…ダレンもマウンテンに
一緒に連れてってあげて?」

「ダレンもですか?」

「うん、二人を連れて行くのは
大変だと思うけど…」

「えっ姉さん私は…?!」

あー忘れてた…

「×××はどうしよう…?」

「うーん」

カーダもどうしたら
いいか分からないみたいだ

「私絶対ダリウスから離れないから」

だよねぇ…私もダレンとは
本当は離れたくない

「それじゃぁこうしよう…
×××は覚悟してサイラッシュに着いて行く事
…死ぬ覚悟もしてね…」

×××は文句を言いたげな顔だったけど
渋々ながら頷いた

運命は残酷だけど…
果たして彼女はそれに
立ち向かう事が出来るんだろうか

それを知るのには
私の砂時計は足りないんだろう…

サイラッシュは正直面倒くさいのが増えたと
言う顔だったけど仕方ない事だから
諦めたみたいで
明後日ここを立つと言う事を話して
それぞれ散って行った

「さ、私達はダレンが渋る前に…」

「あぁ」

私とカーダはダレンに手紙を書いて
元々まとめてあった荷物を手に持って
トールに挨拶だけをして私たちは
一足先にサーカスから旅立った

そして…トレーラーに残ったのは
2通の手紙と赤い写真立て



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