真夜中の覇者 2/9
とりあえず3回扉をノックして
トレーラーを覗きこんでカーダに話しかけた
「カーダちょっと話したい事があるんだけど…」
カーダは本を読んでたみたいで
本を置いてこっちを見た
「どうかした?御客さん?
とりあえず立ち話も何だから入って」
カーダに促されるまま
私達は椅子に座った
「それでね実は…
この子私の実の妹なんだよね…
ぁ因みにこっちの世界のだけど」
「実の妹?」
カーダは物凄く怪しんだ目で
×××を観ていた
「実はこの子も私と一緒で
別の世界から来たみたいで
話のストーリーは大体分かってるから
それでね…この子の子供が
半バンパニーズにされちゃって…」
それを聞いた瞬間
カーダが慌ててダリウスの手を取った
「それでね、今私まだ半バンパイアだから
この状態で血の入れ替えして大丈夫
なのか聞きにきたんだよ」
「…それは…はっきり
言ってどうなるか分からない
だけど事は一刻を争うみたいだね…」
何故か頭を撫でられて
私の顔をじっと観ながら
カーダは苦笑いをした
「ラナの事だから
どんなリスクがある事でも
挑戦する気なんだろ?」
流石カーダ分かってるね…
「運命は残酷だけど
だからこそ運命を恐れてはいけない
って陛下と似て異なる者が言ってたからね」
ぼそっと言ったつもりが
それサンホラじゃんとか×××に
突っ込まれた
「それじゃダリウス手を」
大人しく手を出したダリウスの前で
とりあえず私は自分の手に爪を突き立てた
その後ダリウスの手にも爪を突き立てて
痛がっているダリウスに手を重ねた
その瞬間今まで味わった事の無い
痛みが体中を迸った
カーダは痛がるダリウスを
必死で押さえてくれている
(負けるな自分…
そしてバンパニーズの血…
主人公様を舐めんなよ…!!)
数秒後あぁここで手を離すんだ
と思った瞬間がやってきて
その瞬間手を離した
カーダがすかさずダリウスの手を止血して
その後私の手を丁寧に
舐めて止血してくれた所で
物凄い眠気が私を襲った
もぞもぞとカーダの
腕の中に入り込んで
一番気になる事を聞いた
「ダリウスは?」
「大丈夫、今は寝ているだけで
落ち着いているみたいだ」
「そっかよかった」
それを言った瞬間
物凄い眠気に押されて
視界はシャトダウンした
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