奇怪なサーカス 6/18





「ラナ一人で帰れ…」

この台詞はやっぱり
ラーテンにバンパイアにしてくれと
言いに行くんだろう

「一人でって…」

「お前が暗いの苦手なのは分かるけど
先に帰ってくれ」

その瞬間スティーブは置いてあった
テーブルの下に潜り込んで小声で

「行け!」

ってだけ言った
これから起こる事は分かる
だから私がスティーブの家に
帰るのが私の最善の策だと思った

私さえマダムを盗まなければ
これからの事は起こらない

私は暗闇の中を走って(怖いし
何とかスティーブの家に到着した

息が上がったまま
隠してある鍵でスティーブの家に入って
電気を点けた

玄関で一息ついてスティーブの部屋に
上がろうとした時スティーブが
何とも声を掛け難い顔で帰ってきた

「…お帰り?」

「…ただいま」

何があったか分かる私には
本当に声が掛け難かった
悪魔だとか野蛮人とか言われて
スティーブのプライドはずたずただろう

「寝よ?」

追求して欲しくないと思うから
寝る事を提案した

「あぁ…疲れた」

それだけ会話すると
スティーブと私は一緒にベットで寝た

次の日の朝枕が湿り気を
帯びていたのを覚えている



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テーマ「人外ファンタジー」
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