黄昏のハンター 15/17
日が少し昇りかけた頃
私達はラーテンが使っていた
トレーラーにもぐりこんだ
私と言えば今
カーダの腕の中に居た
「今日は残念だったけど
まだ覚えてるから…」
とか言ってたのは
気のせいだと信じたい
そんな事を思ってるうちに
旅やら何やらで
疲れていた私は眠りについた。
−−−−−−−−−−−−−−−
見なれた景色
ここはもしや日本か
近くの田んぼでは
田植えが始まっていて
私の隣には私の家の
お墓があった
その前には生前仲良くしていた
友達がお墓に向かって話しかけていた
何故か年齢が高校生位だ
転生してから数十年経ってる筈…
まとりあえず気にしないで
彼女の話を聞いた
(×××、6月20日にね×××の
大好きだったサンホラのライブが
映画館で中継するんだけどね…
買っちゃった☆)
チケットを見せつけるかのように
私のお墓に見せた
自慢かこの野郎!!
(まそんな事は置いといて
×××に渡したい物があって来たから
置いてくわ、じゃまた来るから
どこに居ても楽しめよ)
勿論、楽しんでるよ
だって記憶が無くなるまで
人生だってお前に教えたん私だもん
彼女は鞄から写真立てを
取り出して私のお墓の前に置いて
去って行った
残念ながら私は
お墓の隣に居るから
写真立ての前に移動した
「これだからあいつは…」
目の前にある映画のチケット
を手にとろうとした瞬間
視界が眩い光に包まれた
−−−−−−−−−−−−−−−−
目を開けた瞬間
まだ私はカーダの腕の中に居た
近くの時計を引き寄せたら
もう5時でそろそろ日が
落ち始めてる時間だった
「…ラナ…今何時…?」
「5時だよ」
「そろそろ起きる時間か…」
カーダはこう見えて
朝が凄く弱いんだよねぇ
「カーダ、朝ご飯作ってくるね」
カーダから離れて
立ち上がろうとした瞬間
カーダに強く抱きしめられた
「カーダどうかした?」
「後少し…」
カーダ可愛すぎるだろ///
そんなカーダをほっとけなくて
もう一度毛布を被った瞬間
ダレンがトレーラーに飛び込んできた
「ママぁ」
トレーラーの外はもう夕暮れで
黄昏色に染まっていた
- 109 -
← →
【BACK】