黄昏のハンター 7/17





マダムを手の上に乗せて
近くにあった石に座った

他の蜘蛛達は
渋々マダムの
一声で去って行った

(マダム随分子供が居るんだねぇ)

((えぇこの6年でね…))

(マダムも幸せそうでよかった)

((えぇ貴方も
幸せになれたみたいね))

(もう少し入り口の方へ
行くけどいいかな?
私の息子もマダムに見せたいから)

((えぇ構わないわ))

とりあえず入ってきた道を戻ると
シーバーとダレンが居た

「ダレンいらっしゃい」

手の上のマダムに気づいたのか
渋々近付いて来た

(どう?マダム可愛いでしょ?)

((えぇ貴方に似て馬鹿っぽい所がね))

マダムはこの6年で人で
遊ぶ事を覚えたらしい

(フフ、マダムきつくなったわね)

((貴女…蜘蛛の6年を
舐めないでもらえる?))

(ホントごめん…)

((でも…生きてるうちに
尋ねてくれただけで
もう十分だわ…))

(マダム…)

((さ、帰りましょ))

(うん)

シーバーにまたダレンを頼んで

マダムと再会した所まで戻った

(マダム、死て尚勝利の
栄光に輝かん事を)

((バンパイアの仕来りね…?
そんなラナに最後に
聞きたい事があるの))

(聞きたい事?)

((貴女が選んだ道は正しかった?))

(うん…本当は…正しく
なかったかもしれないけど)

((けど?))

(私は…選んで良かったと思う)

((そう…それなら
もう私に後悔は無いわ))

その瞬間マダムが方向を変えた
変えた瞬間ザット、
マダムの通る道が開かれる

((私もこの道を
選んでよかったと思うわ))

振り返ったマダムと目が
あって微笑み返す

((生まれ変わってからも
貴女に会いたいわ))

(ありがとう…
また会おうね)

((えぇまた…))

それからマダムはもう
後ろは振り向かなかった

暗い洞窟の中に消えていった
マダムとマダムの子達を
見送ってから

私もダレンの元に向かった
シーバー達と地下から出ても
私も後ろは
振り向かなかった


それは意図した物じゃなくて…
自然に後ろを振り返ろうとは
思わなかったんだと思う



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