黄昏のハンター 3/17





今でも目を瞑ると
思い出す景色がある

とりあえず自分は
精一杯生きてて
その時の私は17歳だった

「シャンタに貰った
本を読むなんて
何年ぶりかな…」

本を開くと
未だに前世の話が
綴られて行く

「もう皆子供も
出来て幸せに
暮らしてるのか…
一人は独身だけど…」

私も今が一番幸せだもんなー
子供も居てカーダが居て

「もうこの本とは
卒業だね」

最後の1ページを捲って
ペンでメッセージを書く

“今の私も幸せです
 皆もどうか幸せに”

何年も前のシャンタとの約束

「君がこの本を見なくなった時
それが君とこの本との
お別れする時だから
その時には君の言葉で
最後の1ページを
締めくくって欲しい」

シャンタに渡された時
そんな日が来るなんて
正直思ってなかった

とりあえず本当に
お別れする為に本を閉じた瞬間
本が光り出して

本があった場所に
本の代わりに熊の
縫いぐるみがあった

「熊ちゃん…」

前世でお祖父さんに貰って
大切にしてた縫いぐるみだった

「シャンタって…ホント
気が利くね…」

少し泣きそうになりながら
そっとダレンの隣に
縫いぐるみを置いた




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