別れ話をしよう

「ちづる、俺たち別れないか」
「え? 何で? 彼氏ができたの? いいよ、身を引くよ。そのかわり相手のスペック詳しく!」
「……ちづる、俺……もうちょっと粘って欲しい」
「同級生? リーマン? あ、教授って手もあるわよね。やくざもいいけど夢を壊すようなやくざは嫌よ。オススメはやっぱりリーマンだよ」
「いや、やくざの知り合いとかいるわけないし、大学の教授おじさんばっかりだし」
「オヤジ攻め?」
「意味わかんないよちづる。それに俺、ちづるみたいな年下の方が」
「とと、年下攻め!? え、なに、そうなのよしくん」
「ちづるさん?」
「そうよね、年下攻めよね、よし君がまさか攻めな訳ないよね」
「よくわかんないけど、多分ちづるの考えは根本から全部間違ってんじゃないか」
「理解があってやさしくて料理も家事もできて好きな人には尽くすしどっちかって言うとネコ顔のよしくんが攻めな訳ないよね。ノンケ健気受けなんだよね? 相手は強引? 強引攻めだったの? 大柄わんこ攻めのほうが初心者向きだよ」
「……ちづるが俺のこと褒めてくれてるのに、喜べばいいのか悲しめばいいのかわかんない」
「喜べばいいと思うよ」
「うん、そっか、喜べばいいのか」
「ほら、続きは?」
「……おれ、やっぱりちづると付き合うから、これ以上おれをちづるの妄想で犯さないでください。頼むから」
「あ、秘密の恋なのね! 彼女がいるのに同性に惹かれちゃう禁断の恋をしたいのね! 今なら彼女もいるしノンケに戻れるけどやっぱりあいつに惹かれてるんだどうしようってことなのね! 犯されるとか、やっぱり強引攻めなのね!」
「もうそれでいいよ」

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