真面目な後輩

「なぁ倉持、もう2時間も机にしがみついてるぞ。そろそろ稽古して帰らないか」
「高倉先輩は優秀だからテスト週間にわざわざ勉強しないって知ってますけど、僕はそうじゃないから、ちゃんと勉強しないと。それに、ぎりぎりまで学校にいれば先生に質問できるし」
「倉持だって無理しなくても平均ぐらいは普通に取れるだろ? 地頭は良いんだから」
「僕、教師からの評価があんまり良くないんです。高倉先輩みたいな風紀委員と違って、親衛隊ってミーハーでチャラチャラしてると思われがちだし。だから、ちょっとでも足元すくわれるようなこと、嫌なんです」
「そうか。お前はホントに偉いなぁ……」
「え、えらくなんて、ない!」
「偉い偉い」
「もう、先輩はすぐ人の頭なでる! ぐちゃぐちゃになるからやめてくださいー!」
「でもなぁ、さすがに根詰めすぎだぞ。目も真っ赤。ほら、軽く稽古でもして、すっきりして帰るぞ。わからないところは、俺が教えてやるから」
「あ、うわ、ちょっと、先輩!」
「ほーら、道場行くぞー! 一日でも稽古を怠ると、ヒーローの道は遠ざかるぞー!」
「わ、わかりましたから、自分で歩くから、担ぎ上げないでってばー!」

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