写真と

「おい」
「え、会長? あいつならいませんけど……」
「ちがう。今日はお前に用があってきた」
「はあ」
「……あいつの好きなものって何か知ってるか」
「あー……先輩もそれですか」
「も?」
「今日、それを聞きにきたの会長で5人目です」
「なに!」
「朝に高倉風紀委員長が来て、昼には五十嵐先輩と唐橋先輩が聞きにきました。さっきも倉持が俺にメールよこしてきて……」
「お、お前それになんて答えたんだ!」
「全員に『キウイとバナナ』って教えときました」
「……キウイと、バナナ?」
「あいつ果物好きなんですよ。ま、誕生日プレゼントには適さないかもしれませんけど」
「お前は何をやるつもりなんだ」
「それも全員に聞かれましたけど……内緒です」
「! お、おまえっ、俺にそんな口聞いていいと……っ」
「安心してください。あいつが喜ぶものをあげるつもりは無いんで、張り合う必要ゼロですよ」
「?」
「あいつ……鬼沢先輩の誕生日に、俺の小さいころの写真をアルバムであげやがりまして」
「……」
「今回の誕生日はその復讐です。とはいえ、身体的ダメージを与えるものでもないので、そこも安心してください。そして邪魔しないでくれると嬉しいです」
「お前、案外怖いのな」
「俺のちっさいときの写真を学生手帳に入れようとする鬼沢先輩、想像できますか?」
「……」
「彼氏ながら、ちょっと引きました」

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