罪な男

「お、おおお、おい!」
「あれ、倉持じゃん。親衛隊の活動はどうしたんだよ?」
「お、お前、女に告白されたって本当なの」
「うん」
「つ、付き合うってこと?」
「いや、断っちゃったけど……」
「え?」
「あれ、それは俺も初耳」
「あー……うん、美樹ちゃん可愛いしさ、性格も良さそうだったんだけど」
「じゃあなんで」
「やっぱし両思いで付き合ったほうが、お互いのためかなぁと」
「そ、そっか!」
「倉持、こいつのこと、会長に聞いてくるよう頼まれたの?」
「ち、ちがう! 会長はコイツのことなんてこれっぽっちも気にしてないんだから! うぬぼれるな!」
「へ? んじゃ、何でお前が俺のこと聞くの?」
「そ、それはっ」
「うん、それは?」
「て、敵の情報収集は基本だろ!」
「それもそうか」
「そうだ、ばーかばーか!」

「あ、走ってっちゃったよ……何だったんだ、あいつ」
「お前、意外に罪な男なんだな」
「美樹ちゃんのこと?」
「それも込みで、色々だよ」
「?」

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