「レティ?」 「あ…ウィンガル。今からガイアスの所へ行くの?」 「あぁ」 「…ガイアスのこと、支えてあげてね」 「…レティ?」 「あ!私急用があるんだった!じゃあね!」 「お、おい!」 「(目が若干赤かった…まさか、泣いたのか?)」 ガイアスと喧嘩しても泣いたことはないのに嫌な予感がするな…。そう思いつつ、俺はレティを追いかけることはしなかった。理由はガイアスが知っているだろう。もし知らなくても次会った時に聞けばいい。 (いつものように執務室へ赴く。そこにいたのは机に肘をつき、項垂れるように額に手をついていたガイアス。あれがレティとの最後の会話だったということを知ったのは、彼女と別れてから五分後のことだった) -------------------------- ガイアスと決別してから、偶然ウィンガルと出会ってしまったレティ。 |