川嶋亜美
告白 〜亜美の場合〜
「亜美、私好きな人ができたの」
雑誌を読みながらてきとーに相槌を打っていると、
聞き捨てならない言葉が聞こえてくる…。
ちょ、はあ…?コイツ、十年近くあたしの想いに気付かないで好きな人ができた!?
…うぜえ、超うぜえ。
「へえ、」
「…あれ?興味ない?」
ある。…すっげぇある
でも、そんなの亜美ちゃんらしくないしぃ、全ッ然ヨユー………じゃねえっつの!
だ、誰だよ…、高須くん?祐作?いや、祐作はねーよ。
ちびタイガーに…実乃梨ちゃん…麻耶、奈々子…。
あ、あと、能登くんと春田くんもいたっけ。
「ねぇ、気になる?」
気になる。
そう思っても口には出さない。
でも、なまえは勝手にしゃべり出す。
伊達に幼馴染みやってないってか?
「本当は十年以上好きなんだ。忘れよう、忘れようって思っても、他の人を好きになろうとしても…どうしてもその人に気持ちが向いちゃう」
…この意味が、亜美にわかるかな?
含みのある笑みを浮かべ、なまえはそう言う。
そんなの、そんなの…っ、
ずるい…っつーの。
「亜美、君が好きだ。…ずっと、ずっと……好きだよ」
09/7/16