愛する覚悟
過去拍手御礼文「姉妹」の続編です。
「りっちゃん、…実はね、私たち血の繋がった姉妹じゃないの」
「…は?」
あんなことがあってから、最初の休日のことだった。
誰もいないリビングでいつものように朝食をとっていると、いきなり姉のなまえが現れ、そんなことを言い出した。
なんだ?ヘンな物でも食ったのか?
「……」
あまりに真面目な顔で見つめてくるもんだから、軽く噴き出す。
何がしたいのかさっぱりわからん。
でも、よくよく考えれば最近のなまえはいつだってヘンだった。
この間のことはなかったかのように接してくるし…正直、辛い。
どうせなら…はっきり拒絶して欲しかった。
「そうだったらいいのに…」
「え?」
「って、ずっと…そう思ってた」
だからね、りっちゃんがキスしてくれた時すっごく嬉しかったんだよ。
「でも、律はいつも通りだった」
何だよ、それ…
そんなのおかしいだろ、だってそれは
「うん、わかってるよ。私がいけないんだよね」
ちゃんと言って欲しいっていう、私のわがまま。
ごめんねと言って頼りなく笑うなまえに、胸が締め付けられる。
少し頭にはきたけど、そんな可愛いわがままなら大歓迎だ。
「じゃあ、今言えばいいのか?」
立ち上がってテーブルに両手をつき、向かいに座っていたなまえに顔を近づけた。
目をぱちぱちと瞬かせる姿は本当に可愛い。
「りっちゃ…んんっ!」
この間よりも長く口付ける。
少し後ろに下がれば逃げられるのにそれをしないなまえ。
頭では理解しているつもりでも改めて態度に表され、そこで初めて実感した。
姉ちゃんも…なまえもあたしを好いてくれていることを…。
「なまえ…、好きだ!」
好きになっちまったんだからしょうがないんだ。
異性じゃないから何か問題が起きるわけでもない。
だから、あたしは自分の意思を曲げない。
たとえ世界中の人間がこの関係を否定したとしても、あたしは、なまえがいれば、…それでいい。
10/1/26