tactique


「なまえちゃん、またお姉ちゃんたちの所に行ってたの?」

憂の部屋でゲームをしていると、急に憂がそんなことを言い出した。
って、あれ…憂、それ…

「うーん、だって唯せんぱい優しいしー、可愛いし!」
てか、憂宿題やってるんだ、えらいねー

「………」
「う、憂…?」

私の言葉に手を止める憂。
その表情はとてもじゃないが形容しがたい。
憂にはいつも笑ってて欲しいのに、私は…!

「憂…ごめん。私、ばかだからさ、何で憂がそんな顔してるかわかんないよ」

憂の傍に寄り手を握る。
最初は逃げられたけど、今は諦めたようで大人しく握られていた。

「ほんと…」
「え…?」
「本当にばか」

普段は優しい憂だからこそ、改めて言われると痛い。

「なまえちゃん、私のこと…」

好き?
真っ直ぐ見つめられ私は固まる。
…うん、すき、すきだよ。だいすき。

「じゃあお姉ちゃんは?」
「え…?」
「好き?」

さっきと変わらない真っ直ぐなその視線
いつもならすぐに答えられるそんな質問に、思わず息を飲む。

「…す、すきだよ」
「じゃあ…「でも!」

憂が何が言わんとしていたことを遮り声を上げる。
このまま憂にこんな顔させてちゃいけないんだ…!
そう思って私は必死になる。

「憂の方がだいすきだよ、せんぱいなんてめじゃないくらいだいすき!」
「うん…わかった。そんなに大きな声上げちゃうくらい大好きなんだね」
「え…」

あ…れ?
何かおかしい…
気付いた時にはもう遅く、
私はベッドに組み敷かれ、視界には憂の顔と天井だけ。
少し遅れて声を出そうとするも、それすら憂の唇に阻まれる。

「なまえちゃんは私だけ見てればいいの。私以外に笑いかけちゃだめ」

破ったら…おしおきだよ?
そう言って憂は不適に笑った。



09/9/5

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