それだけで許してしまうくらい


「お前って、意外とばかだよな」
「開口一番失礼なことを言うやつだな」

俺はベッドの上でクッションを胸に三角座りする幼馴染兼恋人に言う。
だが、しかし返事は可愛らしくもなんともない言葉。
見た目は可愛いのに、何故こんなにも男らしく育ってしまったのか…父さん悲しいっ。

「誰が父さんだ、誰がっ」

うおっほん。
そ、そんなことよりキョン子!
お前の学力には少し問題があるぞ!
俺が教えてや

「いいよ、ハルヒコに教えてもらってるし」
「は、ハルヒコ…?」
「ん?…ああ、これ」

聞きなれない名前。
何故だか当たり前のように言うキョン子に、俺は首を傾げる。
なんだ、北高ではそんなに有名なのか?
不思議に思いながらもキョン子が差し出してきたものに目を向ける。

「い、いけめん…こっちもいけめん…」
「こっちがハルヒコでこっちが長門。ああ…ちなみに、こっちも男子だから」

てか…おまっ、こんなイケメン君に教えてもらってるのか!?
どんな仲だ!プリクラ撮るってことはそういうことなのか!?
あたしという男がいるってのにどういうこと!?どういうことなのキョン!?

「なまえ…さっきからうざいぞ。というか、きもい」
「おまっ、す、好きな女が他の男と仲が良くて…心配にならない男がいるかよ!」
「そ、そうだな、それは…悪かった。今度からハルヒコには教わらない」

なまえにしか教えられないことだって…あるしな…。
顔を少し赤らめて俯くキョン子…。
え?あれ?

「もしかしてそれって、保健た「やっぱきもい」
「ですよねー」

ああ、なんか俺泣きそう。
背を向けて漫画を読むキョン子を見てそう思う。
俺とキョン子って付き合ってるんだよな?

いっつも冷たいし、手つなぐのも嫌がるし、キスだって…。
これじゃあただの幼馴染だった頃と変わらないじゃないか。

「ご、ごめん…ちゃんと…すきだから。だから…」

俺の暗い表情に気付いたのか、眉間にしわを寄せ心配そうな顔で言うキョン子。
勿論、許したくない気持ちもある。
けどやっぱり、俺の可愛い可愛い彼女であることに変わりはない。

甘いな、俺。…そう思いながらも俺はキョン子との距離を縮める。

「おれも…好きだ」
「んっ…」

そうして触れたキョン子と俺の唇。
嬉しくて、それでいて恥ずかしくて…顔に血が上るのを感じた。






それだけで
許してしまうくらい


(彼女を好きな俺がいる。)


09/8/16

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