私の特等席


長ったるいロングホームルームが終わると同時に、左隣からすごく大きな音が聞こえた。
それは言うまでもなく、ハルヒがキョンのブレザーの袖を掴み、走り出した音で…、

(今日はキョンと一緒に行こうと思ってたのに。)

私は重い腰をあげ、仕方なしに部室へ向かった。
もう、何でこんな遠いところなのよ。…そう一人ごちり、別校舎へ入って階段を上る。

部室の前に立つと、私はゆっくりドアを引いた。
…あれ?ハルヒとキョンがいない。
だがその代わりと言ってはアレだが古泉と有希が本を読んでいた。
ちょっと珍しい組み合わせだな。と思いながらも中へ入る。

てきとーに挨拶を済ませ、古泉に2人のことを聞くと、古泉はまだ来てませんよと返してくれた。

じゃあ2人はどこに行ったんだろう。
しばらく考えてみたが、結局思いつかないままで埒が明かないので諦めた。
ハルヒの行動は全くもって読めないのだから仕方がない。

「此処、座っていい?」
「どうぞ。」

古泉に許可を得て隣に座るも何だか気まずい。キョンー、まだかー。


――…

「おいなまえ、おいっ、起きろ。」
「ん、キョン?」

声がしたので目を開けると、少し怒ったような表情のキョン。
何なのよ、一体。

「きゃっ」

少しの間キョンを見つめる。すると、突然キョンは私の腕を引っ張った。
痛いわね、…あんたなんてハルヒとどっか行っちゃえばいいのよ。
なんて皮肉なことを考えていると、キョンは顔を耳まで真っ赤にして、

お前の席はここだろ。
と言って私を隣に座らせた。…何よ、ジェラシー?私が古泉の隣にいたから?

「今日のキョン、可愛い。」
「うるさい。」

やっぱり此処が落ち着く。
キョンの隣はずっと私の特等席でいいよね。



「それより、ハルヒは?」
「あんなヤツ知るか。」


執筆08/1/14
加筆08/11/20

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