出せないこたえ


過去拍手御礼文「姉妹」の続編です。




「し…おんっ、…あっつい、よ…」

息も切れ切れに言う私。
身体の芯から"あつく"なってくるその感覚に、気持ち悪さを覚える。
折角熱も下がって落ち着いてきたのに、こんなのあんまりだ。



「詩音のばかあああああっ」
「っ!?…な、なんなんですか!?」
「それはこっちの台詞です!暑苦しいから離れてよ!」
「嫌です」

むっかー!!もう頭きた!
いくら温厚な私だって怒るときは怒るんだから!

なんて、怒鳴ってみたものの…
詩音はきょとんとした表情でこっちを見つめているだけ。
勿論、背から回された腕は私の胸の前でしっかりとロックされている。

「お姉ちゃん、もう離してよ」
「いや」
「お姉ちゃ「だって、離したらもう…なまえは私のものじゃなくなるじゃないですか」
「詩音…」

力が抜けて腿の上に落ちた手を握る。
背中に感じる詩音の熱い吐息。
次第に…服が涙で濡れていくのがわかった。
けど、私はその事には触れない。…触れられるわけがなかった。

「なんで、なんで…っ」

そこで詩音の言葉は詰まる。
けれど、何が言いたいのかは安易に予想がついた。
だって、私と一緒…。
私と詩音は、いつだって同じ気持ちだもん。

――なんで、…なんで私たちは姉妹なの!?なんで女同士なの!?

でも、そんなこと…口にしたところで何も変わらない。

「なまえ…なまえ…ッ貴女が好きなんですっ!」
気が狂いそうなくらい、なまえを愛しているんです…!!

そんなの、私だって一緒だよ…
でも、私には応えられない。


10/1/25

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