絡まる視線


今は放課後。偶然2人で日直になったために日誌を書いていた。
しかしなまえは隣でうとうとしている。必死で寝まいとしているのがすごく可愛くて思わず頬が緩む。
ああ、可愛い…食べてしまいたい。

「なまえー?」

日誌から目を逸らさずになまえに声をかけてみる。でも反応はない。もしやと思いなまえの様子を伺い見ると、やはり寝ている。
寝るのは結構だけど、2人きりの時はやめてほしいなあ…なんて。(本当に食べちゃいますよー)
風邪をひくといけないから自分が使っていたひざ掛けをかけてあげる。

「睫毛長い…」

穴が開いてしまいそうな程、なまえのことを見てたのに、新しい発見は結構あった。
睫毛が長いのもそうだし、髪の色素が少しうすいのもそう。そんな睫毛や髪の人はたくさんいるけれど、それがなまえのモノだからとても愛おしい。
なまえの髪を手に取るとサラサラと手から滑り落ちていく。

「かわい…」

私はもう一度髪をすくい、口付けた。しかし、なまえはそれで目を覚ましてしまった。

「なっ…!」

絡まる2人の視線。その時間に比例するようになまえの頬は朱に染まっていく。

「…今の、見ちゃいましたよね?」
「し、おん?」

「この際だから言っちゃいますけど、私は貴女が好きです。」
「え…?」

そう言って私はなまえとの距離を縮める。拒絶されたらどうしようなんて気持ちはこれっぽっちもない。

なまえは身じろぎ、視線を泳がせた。
泳ぐその目も、驚いて半開きになったその唇も、…ああ、全部可愛い。もう我慢ならない。

た べ た い。


欲望に忠実な犬と化した私はすぐさまなまえとの距離を0にする。
噛みつくように触れたその唇は想像よりも柔らかく、もう離れたくないと思ってしまう程だった。

「ん、んんぅッ…!」

重ねた唇を名残惜しいながらも離すと、なまえは力が抜けたように椅子から滑り落ち、手の甲で口元を押さえ、さっきより顔を紅潮させていた。


「あたしも好きだよっ詩音!」


07/10/20

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