真実は消え去った


最近、なまえちゃんの帰りが遅い。部活にも参加しないことが多く、魅ぃちゃん曰く、興宮に行っているみたい。
なまえちゃんは一体、何のために興宮へ行ってるのだろうか。

「た、ただいまー」
「おかえり、なまえちゃん」

びくびくと何かに怯えたような態度で部屋に入ってくるなまえちゃんを見て、やっぱりなにかある私はそう思った。



――気付けば私たちの関係はおかしなものになっていた。互いに依存しあって、縛り付けて、でもその関係も今…崩れれてしまそう。
なまえちゃんは私がいなくても生きていけるの……?ダレカに依存しなくても生きていけるの……?

ソレトモ……私以外に依存できる相手ができたの……?

「なまえちゃん」
「!……な、何かな?」

体を大きく震わせて、過剰に反応するなまえちゃん。……私はそれで確信する。
――最近、誰かと会ってるでしょ。
これには99%の自信があった。そして……"興宮""私以外の誰か"で当てはまる人は一人しかいない。

――それは詩ぃちゃん。
そうでしょ?違う?違うなら言って、レナにはわからないよなんで?なんでレナじゃなくてアイツなの!?

「れ、な……?」

怯えた表情で私を見るなまえちゃん。そんな顔させてごめんねでも、本当に綺麗で、それでいて可愛い。でも、もう、レナだけのモノじゃない。でも……


ねえ、なまえちゃん。なまえちゃんは、どうすればレナだけのモノになるの?なまえちゃん……バカなレナにもわかるように教えて?
涙目でレナを見つめる瞳。その大きな瞳から負けないくらい大きい雫が落ちた。そして、それが引き金になったのか、ぐちゃぐちゃになるくらい涙で顔を濡らす。

「どうして泣いてるの?」
レナが泣きたいよ

「だって…れな、こわい」
それレナの方が怖いよ。どうしてそんなに簡単に裏切るの?

ふと、外に置いてある鉈が目に入った。……そうだ、これでなまえちゃんを*してしまえばレナだけのモノになる。
――ねえ?なまえちゃん……そう、でしょ?

身体が反り返るくらい鉈を両腕で持ち上げ、大きく振り下ろした。
――なまえちゃん、大好き
服に着いた赤黒い斑点を見つめ、私は呟く。最後に見たなまえちゃんの顔は……とても、幸せそうだった。










10/1/26

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