かわいい人


過去拍手御礼文「姉妹」の続編です。




地元から離れた土地。
スタバやスドバとまた違うお洒落な感じのお店で優雅ぁ〜にラテを飲んでいた。
うん、亜美ちゃん今日も最ッ高にか・わ・い・い!(なまえの方が可愛いんだけど…)

「あみあみ!このカフェすごく可愛いね!」
「え…?あー、うん」

なまえは今日も可愛いなー、とか…服似合ってる、とかそんなことを考えていたせいではっきりしない声が出る。
本当は口に出して言ってやりたいけど、言えるわけがない。
ていうか…子どもみたいにはしゃぐのはやめて欲しい。
恥ずかしいっつの…(そんなトコも好きだけどさ、)

「(…?あの男)」

ふと別の場所に視線が行く。
そこには男が二人いた。
休日に男二人がこんなところで何をしているんだってのが素直な感想。
けどよく考えたら恋人同士…いや、それはないわね。
明らかにこっち見てるし、ただの軟派な男共だろう。

「なまえ、ここ出るわよ」
「ええ?な、何で?まだ飲んでない…っ」
「いいから」
「…うん」

名残惜しそうに飲みかけのカップを見ると立ち上がった。
…また来ればいいじゃない。
そう言ってやると、なまえは嬉しそうに「じゃあ今度は亜美の奢りだよ」と笑顔で言う(ほんと、可愛いんだから…っ)

早足でそこから立ち去ると、左手の違和感に気づいた。

「…っ!?「きゃっ」ご、ごめん」

何意識してんだよ、あたし。
って自分でも突っ込みを入れたくなるくらい、焦って握っていた手を離す自分にびっくり。
そして、なまえの小さな悲鳴にも驚く。

「もうっ、亜美!びっくりするじゃんか…」
「ごめん」
「…ていうか、なんで離すの?姉妹なんだからいいでしょ」

唇を少し尖らせ言うなまえ。
あたしの手を取ると指を絡めて強く握った。
おまけに腕に抱きつくように寄り添ってくる。

「亜美、顔あかい」
「うるせっ…」
「かーわいー」

あんたのが可愛いっつの…なんて思いながら楽しそうななまえの顔を眺めた。








かわいい


(デートはまだこれからだもんね)
(で、デート!?)
(…うん、そうだよ!)


10/1/24


 top 
×
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -