I need you, I miss you...


「なまえ、」
「……」
「本当にごめん…怒ってる?」

あ、当たり前でしょ!
ばか亜美!
私との約束を忘れて麻耶ちゃんたちと遊ぶなんてありえない!

「……」
「(謝る以外にどうしたいいんだっての)」

面倒臭そうにため息をつく亜美。
悪気のない行為だったのかもしれないけど、
今、そういう態度をとられるとすごく嫌な気分になる。
…亜美の中での私の存在はそんなものなの?

「亜美は…本当に私のことが好きなの?」
「はあ?」

いつもいつも素っ気なくて…
あたし怖いの…っ
亜美に捨てられたら、私…

「ばーか」
「っ!?」

そんな言葉と同時に頭を小突かれた。
予期しない出来事にあたしの身体は傾く。

「好きだっつーの」

傾いていた身体はそのまま座っていたベッドに倒れ、
腕ごと押さえつけられた。

「じゃあなんで…っ」
「…ほんっと、バカね(あたしも、なまえも)」

亜美の顔がゆっくりと近づく。
でも、二人の唇が触れることはなかった。
その代わりにさっきより大きなため息と共に私の上に倒れこんでくる。

「ほら」
「え?」
「心臓…。あたし今、どきどきしてる」
あんたのこと、想ってるから…こんなにどきどきしてるの。

亜美の表情を読み取ることはできないけれど…
たしかに彼女の心臓は大きく脈打っていた。

「亜美…」
「何?」
「キス、して…?」

上半身を起こした亜美と目が合う。
その瞬間亜美は困ったような笑みを浮かべた。

「あ…み?」
「…黙って」
「ふぅ、んっ!?」



慣れない長いキス。
どうやって息をしたらいいのかわからず、
軽い酸欠を起こした脳がぐわんぐわんと揺れる。

「素っ気ないのはこうやって我慢できなくなるのが怖いから…」

あたしはなまえのこと大事にしたい、
卒業までの恋になんて絶対しない。…させたくない。
だって…

こんなに好きになっちゃったんだもん。


09/10/12

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