園崎魅音
だいきらい 〜魅音の場合〜
何かを思いついたかのようにはっとする魅音。
そして「大嫌い」と一言発すると、私の様子を窺い始めた。
…ふむ
「そうなんだ」
真剣に(全然真剣じゃないけど)そう返すと、不安げな面持ちに変わる。
「しょうがないよね…」
うんうんと悩んだ素振りをしながら、
魅音の様子を観察すると、既に泣きそうな顔。
く、可愛いやつめ…
「なまえ、あの…」
「ん?」
私のこと嫌いなら無理して話しかけることないよ?
その言葉が追い打ちになったのか、目に溜めていた涙を一粒、二粒と地に落とした。
「ごめん!嘘だよ!大好き!」
「うん、知ってる」
それを聞いて安心したのか、悔しかったのかは定かではないが、目に溜めていた涙をたくさん零した。
これだから魅音をからかうのはたまらない。
13/9/26