藤吉晴美
少女A 〜藤吉の場合〜
「はるみちゃん!」
「あらなまえ…どうしたの?」
「んーん、別になんでもないよ」
晴美ちゃんが見えたからつい声かけちゃっただけ。
…迷惑だったかな?
上目遣いに一瞬どきっとする。
そんな…へ組のアイドル的存在、なまえに話しかけられて嬉しくないわけがない…!
むしろ(加賀さんじゃないけど)話しかけさせてしまってすみません。って感じよ。
「ねえ、はるみちゃん」
「なに?」
「はるみちゃんってさ、おとこのこ同士の…ほら、あれ!…びーえる?が好きなんだってね!」
純粋無口な瞳で見つめられ心にクリティカルヒットを食らう。
あああ、なまえに余計なことを教えたのはどこのどいつ!?
「んーとね、かふかちゃんとちりちゃんだよ」
予想通りというかなんというか…
とにかく、仕返しはしない方が身の為って感じね。
大きくため息をつき項だれる。
「でもね、私はねっちゅうできるものがあるっていいコトだとおもうよ」
その言葉に感動を覚えた
今までといえば、千里にあれやこれやきっちりしなさいと怒られたり罵倒されたり…
とにかく最悪なことしかなかったのに、なんだろうこの幸せな気持ち。
「それでさ、晴美ちゃん。女の子同士には興味ないかな…?」
え?
そう思った瞬間にはもう遅く…
気づいた時にはもう…一歩を踏み出していた。
09/10/19