川嶋亜美
少女A 〜亜美の場合〜
「みのとら、あみとら…いや、とらあみ?いやいや、ここは大穴でみのあみも…」
ああ、だめだ…!
全部が魅力的過ぎてどれが一番なんて選べない!!
ここはもう麻耶も奈々子もゆりちゃんも混ぜるべき!?
百合ぱらだいす!?!?
やべーよ、最高だよ…ああ、思わず涎が……
「なまえ…あんた、さっきからなにぶつぶつ言ってんのよ」
突然かけられた声に驚き、慌てて涎を服の袖で拭う。
朝っぱらからこんな姿見られたら…
いや、やっぱなんでもない
「川嶋…おはよう」
なるべく顔を合わせないよう俯き気味に挨拶。
すると、頭上から大きなため息が…!
え…なに?気づかれた?
「…亜美ちゃん言ったわよねぇ、今度川嶋って呼んだら返事してあげないって……」
でもぉ、亜美ちゃん優しいから今回だけは注意してあ、げ、る
そう言って川嶋は鼻先とチョイ、と人差し指でノック。
その姿がやけに様になっていて思わず見惚れる。
女の子同士の絡みは好きだけど、
まさか、私自身がこんなにドキドキさせられるなんて…
「亜美…」
急に恥ずかしくなり顔に血が集まるのを感じた。
本当は今すぐ逃げ出したいけど、HRも始まるからそんなこともできず
本鈴(チャイム)と同時に私は机に突っ伏すように顔を隠す。
「そんな反応されたら、期待しちゃうじゃない…」
そんな川嶋の呟きがいやに耳に残った……。
09/10/19