病んでる人への長文五題
「さらば純愛」

死にたい、と君は叫んだ。体内の酸素が無くなるくらいに大声で。そのまま息を吸わなければ死ねるよ、と僕は囁いた。

殺したい程に愛してる。嘘じゃない。君の小指と僕の小指を繋いでるこの赤い糸で、君の喉を締め上げたいのさ。

眠いのかい。なら眠るといいさ。羊水に浸かるように体を丸くして。目覚めることはないだろうけれど。

殺して、と君は云う。僕は頷く。狭い部屋にばしゃりと響いた音は、水かそれとも

さよなら。大好きな人。魂が此処に無くても、ずっとずっと愛してあげる。