おはよう、そしてさようなら
水際か、瀬戸際か。
彼の者の影を追う。
百回死んで君を請う。
千回生きて君を恋う。
影法師は何処に
溺れて死んだ沼の底
泡立つ気泡は上へ上へ
百万回謝ろうとも、赦されることはない。


愛してると一万回言った。大嫌いと百万回言った。
嘘つきの道化。
壊れたオルゴールの曲名は
欠けた鎖で繋ぐもの
この時の彼の心情を答えよ。
おやすみ。My dear.
My fair ladyに花束を
こひすてふ[恋す蝶、恋捨てふ]
その花が枯れるとき
かくも麗し


断頭台の露と消ゆ
泣き虫な君に愛を捧ぐ
天が泣いた日のこと。
欠落は崩壊の序曲。
甘くて酸っぱくてほろ苦い
鳴けない鶯。
汚れた金糸雀。
飛べない鷹。
悲しくて。哀しくて。
無邪気。故に残酷。


闇を切り裂け
あなたとあの世に逝きたい。
あなたとこの世で生きたい。
昔々のことでございます。
たった一言言えたなら。
さあ踊れ
泣き言は赦されぬ
意思、意志、遺志、縊死。
もうあなたはいないのです
そんなもんに意味なんてない


ほらお迎えが
誘拐、融解。
そうか。ならお別れだ。
偶然という必然
死に逝く君に哀悼の唄を
ありがとう。幸せでした。
行き交う人々は蟻の群れ
君の名前が呼べたなら
後悔、懺悔、悔恨。
人生をやり直せるとしたら、何をします? ――死にます