0412


#name#はいい子ね。どうしてこんなに簡単な問題も解けないの?80点?お兄ちゃんはもっといい点数だったわよ。#name#は気が利く子ね。私は仕事で疲れてるの。家事ぐらいやりなさい。大手の会社に就職するなんてすごいわ!さすが私の子ね!あんたは本当に父親そっくり!!お母さんはあんたのこと好きじゃないわ。お父さんにまで嫌われたらどう生きてくの。


私は、いい子。
大丈夫。私は、大丈夫。


死にたい。違うの、死にたくない
生きたい。違うの、生きたくない

わたしは、特別扱いしてもらいたかったわけじゃない。ただ平等に扱ってもらいたかっただけなのに。


一人暮らしをする経済力は無くて、勇気も覚悟も無くて、ただ日々を流れるように過ごすだけ。


ある日、それが弾けた


人が歩いていく、ひとり私は立ち竦む。怪訝な顔をして去って行く人々。色が見えない、何も感じない。ただひたすらに怠く感じるだけ。歩きたくない。動きたくない。しんどい。

どこに行くつもりだったっけ
仕事…仕事行かなきゃ。

苦しい、息が切れて、どうやって、ああ苦しい、

「ゆっくり、ゆっくり息を吐くんだ」

大きな手が口元を覆う。だれ、
大きな手の主がもう一度ゆっくりと、と声を出す。ゆっくり、ゆっくり。息を吐く。苦しくない


「落ち着いたかい」

顔を上げると背の高い男の人。
顔を上下に振ると彼は少しだけ口元を緩ませた。優しい目。アーモンドみたいな大きな目。

「こんな場所でどうしたんだい?」

どうしたんだっけ。わたし、どうしてたんだっけ

「…、」

口を開くのがだるい。鉛のように手足が重い。重力が私を押しつぶすが如く全身がおもくてだるい、

重さに従って顔を下げると私の裸足がみえた。わたし靴を履き忘れてたんだ。

「家はどこだい?送って行くよ」

家に帰る。お母さん今日は仕事休みだって言ってたな、やだな、また怒られる。憂鬱だ。怒られるのは嫌い、大きな声も全部嫌い。ゆううつだ

いらない、送ってもらわなくていいです。そう気持ちを込めて首で示す。

気持ちは嬉しいんだと思います。ありがとうございます。さようなら
今はただひたすらに怠いの。ごめんなさい。

そっと足を動かして前に進む。今からどこに行けばいいんだろう。わからないけど体を休める場所にいきたい。本当はすぐにでも横になりたいもの


「放って置けないよ、」

優しく腕を掴む手は暖かい。

彼は優しい人間なんだ、ただそれだけ頭に浮かんだ。



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軽鬱な彼女とヤマト隊長の甘〜い話になったらいいね。

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