今日も夜がやってきた。いつもより早い時間にベッドに潜る。暗闇から現れた其処にはちょっとおかしな世界に、おかしな人たち。非常識的なここは笑っちゃうくらい私好み。
「こんばんは。今日も会えたね」
私が笑えば、彼女は悲しむ。悲しいかな、私はあなたに呼ばれてきたのに。今日もあなたの手には妖光を帯びたもの
「……どうして、どうして、」
「答えはここに、無いんだよ」
いつもと同じ疑問にいつもと同じ回答。そして腹部に広がる熱と紅。
何度目になるのかな。でもね痛みはないよ。だってここはあなたの創った夢世界。そして私はこうして罪滅ぼしのためにあなたに殺されにくる狂人。
ううん、狂ったのは私?それともあなた?その答えもきっと此処にはない。
紅色の水溜まり。あなたの怯えた目。乱れる息。大丈夫…だってこれは夢
「いいの。いいんだよ。」
夢世界の私の体に刻まれたこれは私があなたを傷つけた数。そして罪の数
私はね、知っていたから。
私が楽しむ姿を羨ましそうに見ていたことも、ぜんぶ。全部。
でも私はあなたを無視してきた。必死に視界から消してきた。だって私もあなたと同じ、人に嫌われるのはコワイから。
でもね、もう大丈夫。
夢は醒めるから。
私は勇気を出して、あなたの元へ行くから、だって、私たち、――友達だもの。
(私とあなたは親友ね!)
(…うん!)
輝く笑顔を壊したのは、私だから。
1201225
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