青い蒼い、空の下 | ナノ

「何でこんな簡単な問題もできねェんだ!!」

「仕方ねぇだろ!?数学苦手なんだよ!」

「苦手にも程があるだろ!」

「お前に言われたくねぇよ!?」


“英語を教える変わりに数学を教えてくれ”その約束通り、うちはに数学を教えてもらっているわけだが、これがまた、スパルタな上に直ぐにキレやがる…。
チクショウ。うちはのヤロー自分の事は棚に上げやがって…っ!大体二次関数とかこの先いつ使うんだよ?いらねーだろ!?
そんな事を考えているうちに、うちはが1枚の紙をオレに差し出してきた。見れば頭が痛くなりそうなくらいビッシリと書かれた数式。え、なに?お前ガリレオにでもなるつもり?


「この問題はxに代入よりもyの方がお前には楽だ。で、こっちはここに書いてある公式を使え。」

「お…おお、」

「今日は公式だけ完璧に覚えろ。」

「イ、イエッサー」


スパルタ式でも、公式を書き出して更にはオレにも分かるように捕捉を付け足してくれている紙を見てうちはにバレないように樮笑んだ。


「うちはってよー」

「サスケ」

「は?」

「サスケでいい」


顔を逸らしながら仏頂面で言ううちは…基、サスケに顔がにやけた。これはにやけるだろ


「ならオレは名前な!サスケ!」

「ああ」

「やっぱ、サスケって優しいよなァ」

「黙って解け」

「何でだよ!?」


誉めてんのに!!と机をバンバン叩きながら抗議しても、サスケはどこ吹く風。
あまりギャアギャア言うのも切れられそうだし、問題を解く事にして机に向かう。

一時間ほど使って数十問の問題を解いて、サスケに採点をしてもらえば結果はまずまず、といった様子だった。可もなく不可もなくってか。


「これぐらいは出来て当たり前だ」

「げぇ、オレはお前と頭の作りが違うんですー」

「…名前、なら出来ると思う、が」

「サスケ、お前それ天然?」


なに今の!そうやって女落としてるわけ!?半ば怒鳴るように聞いたオレに何故かサスケは顔を真っ赤にして怒ってきやがった。が、めげずになんで?テク教えろよ。なんて言ったオレが悪かった。だからそんな、人を殺せそうな目で見ないでください。


「お前、…名前こそ天然だろ」

「え、オレが?どこら辺が?」

「そこ。」

「どこ!?」


具体的に言えよ、と思ったがサスケはオレを一瞥して頬杖をついた。どうやらもう喋る気がないらしい。どこまでも自由人だな


「よし、今日はもうやめよう!」

「あ?」

「外見ろよ、もう真っ暗だぜ?」


外を見れば陽もすっかり落ちて薄暗いどころか真っ暗になっていて、納得したように片付けを始めたサスケに習ってオレも片付けを始めることにした


「じゃ、今日はありがとな。」

「ああ、」

「あっ、そーだ。サスケって携帯持ってる?」

「…ああ」

「アドレス、おーしえて?」

「…」


携帯片手にこてん、と首を傾げればサスケは物凄く、とっても、嫌な顔をしながら渋々といった風に携帯を取り出した。失礼なやつだな


「…オッケ、家帰ったら空メすっから!」

「ああ、じゃ、行くぞ」

「待ってよ〜、サスケく〜ん」

「…黙れ」


学校一の才色兼備のアドレスゲットだぜ、ってね


(なあ、また勉強しよー)
(…復習してこいよ)
(…お前もな)

120413
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