青い蒼い、空の下 | ナノ
初夏の割にはひんやりとした風と心地の良い日差しに、遊園地日和だなぁと呟いて駅へと向かえば、休日と言うこともあってか沢山の人が居て思わずげんなりとしてしまう。


「駅前集合とは言え…見つかるか?」


あまりの人混みに少し離れた所から様子を窺っていると、見知った人物がこちらへ向かってくるのに気がついた。


「よぉ、名前も来たのか」

「おー、シカマルが参加なんて珍しいな」

「……まあな」

「……お疲れ。」


シカマルの様子からすると、大方いのに脅されたか、そんなとこだろうな…と同情すれば癪だったのか睨まれた。おーコワイコワイ。


「そういやー、この間はお前ェのお陰で散々だった」


"この間"と言うのは言わずもがな、あの世界史の授業の件だろう。ゲンマ先生ってばシカマルに何させたんだ。


「…何された?」

「課題10枚と補習1週間。ちなみに課題の期限は3日。」

「…どんまい」

「軽く一発殴らせろ」


軽く、じゃない一発を喰らって踞るオレに対し、何処かスッキリした顔をしやがるシカマルに舌打ちをして痛みと気持ちを堪える。これ以上何かしたら課題をやらされかねない、それは本気で勘弁したい。


「あれサクラといのか?…誰だあの小せェの。」

「あれウサギちゃん」

「…野々…だっけか?」

「お?知ってんの?」

「結構有名だろ、男女問わず人気だ、って」

「…初耳」


まー、あんだけ可愛けりゃなぁと呟いたのが聞こえたのか、シカマルは驚いてオレを見た。


「先に言う、恋愛感情じゃねーぞ。」

「…ビビった。」


何でビビんだよ。と突っ込んだけど何となくシカマルの気持ちも分からなくもない。オレに浮わついた話ねーもんなぁ


「シカマルに名前、おはよー!」

「おっす。いのにサクラ、それとウサギちゃんも、おはよう」


「男は俺らだけか?」

「ナルトのやつも誘ったんだけど…アイツ寝坊かしら」


微かに殺気立つサクラを落ち着かせてナルトに電話を掛けるが電話に出ないので暫くして来なければ置いていく、と言うことで一致した。


「おーい!わ、わりぃってばよ!」

「バカナルト!!遅刻すんなって行ったでしょー!?」

「ご、ごめんってばよ、」


サクラといのに怒鳴られているナルトを放って、シカマルとウサギちゃんを連れて駅へと歩き出せばシカマルは助かったとばかりに息をはいた。


「それにしても人多いな…」

「大丈夫?」

「ん?ああ、大丈夫だよ。ありがとね」


自己紹介をし始めたシカマル達を一瞥して空を見上げれば、やっぱり遊園地日和だと思えた。


(遊園地も人多いんだろうなぁ)

120326
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