処刑台の主役 | ナノ


▼ 59

飛段に角都、そしてデイダラ。

「随分暁も寂しくなったね」


人が、ひとりずつ死んでいく。S級犯罪者だなんて言ったって所詮人間なんだから何時かは死ぬ時が来て、憎まれながら笑われながら死んでいく。なんて無情で無慈悲なんだろう、彼らにだって目指すものがあったのに――ただ目指すものが他と違っただけで


「これでうちは一族は名前さん。アナタひとりになってしまいましたね」

「…どうかな」

「どういう意味です?」


――無情の雨がやむ





たくさんの気配が散らばっていく。たぶんこれはナルトくんの術。
相変わらず莫迦ほどのチャクラを持っているね


「…出ておいでよ。うずまきナルトくん」

「オレを…捕まえに来たのか?」

「時間が無いからね…少し話をしよう」


飛んできた手裏剣をかわして上へとクナイを放てば音を立ててナルトくんの影分身が消えた


「どうして、君はサスケにこだわる?あの子は抜け忍で、君たち木の葉を裏切ったのに」


そう、あの子は裏切り者だ。
あたしがそう仕向けたとしても、裏切り者には違いが無いし掟破りの罪人になった。それはあの子が決め行動をしてきたのだから言い訳は聞かないのがこの世界でのルールなのに、それでもナルトくんの目には迷いも動揺も見えなく、ただあたしを真っすぐに見据えて力強く射抜いてくる、


「少なくとも、お前よりもずっとサスケのことを…兄弟だと思っているからだ」

「…そう」


もし、あたしがあたしじゃなかったら――そう思ったことは何度だってある。あの日"彼女"に殺されても蘇ったりしなかったらもっと幸せで明るいあの子がいたかもしれなかった。けれどそれは結局幻で現実はとても暗くて濁って、ナルトくんのような瞳だったらもっと、もっとずっと

――これがあたしの願い


「ど、どういうことだってばよ…!」

「キミよりも大切なことがあるの。それじゃあ」


あたしの道を遮るものなんて、すべて こわしつくすしか しらないの


140420
title:Infnity様から拝借

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