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「それで、何の用なの?」
気配を殺してあたしを監視する彼らに問いかければ、皮肉と謝罪を同時にもらう。なんともチグハグで均等の取れた彼らはなかなか面白く飽きがこない、なんて言ったら片方に怒られそうだから口には出したりしないけど。
何の用、なんて応えるわけもない事くらい分かっているし、大体どうして監視対象に入っているかも理解してるから聞かなくたって別段困ることも無いのだけれどあまりにも煩い視線にいい加減うんざりした。っていうのが本音であり少しばかりの嫌味
「名前、どうしたの?」
「集合命令ヲ無視スルナ」
「…ああ、それね」
別に何をするわけもなく、強いて言うなら黄昏?ああ、誰そ彼。我ながらうまい事を言ったもんだと思わず笑みが出た。同時にゼツから警戒されたけど何で?最近妙にピリピリしてるのがすっごく分かって、こういう時ばかりは自分の鋭さに嫌になる
「何日もかかるあの術は疲れるのよ。少し休憩よ、休憩」
「飛段ガ殺シタ木ノ葉ガ気ニナッテルンジャナイノカ」
「…何それギャグ?笑えないけど」
木の葉の忍を殺したと、後少しで皆殺しに出来たと意気揚々として話した飛段の話を聞いて動揺したつもりも、した覚えもない。だって、別に大切な人以外が死のうが生きようがたいして興味は無いんだもの。
「飛段の殺した忍はどうやら猿飛アスマって忍者らしいよ」
「そっか。…アスマさん死んだんだ」
「随分薄情ダナ」
くつくつと笑う黒ゼツを横目に空を見上げれば、真っ暗でどんよりとした雲が広がっていた。
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――目的の第三段階、世界征服
私たちの、ひいてはマダラさんの。願う先がうっすらと光り始めた。
140417
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