処刑台の主役 | ナノ


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先日リーダーから封印術を完成させたという報告が来てからあたし達"暁"の行動が活発になってきた。ノルマなんて言われた時はかなり面倒だったけれど、デイダラや飛段なんかは少ない、なんて拗ねてて呆れたのは記憶に新しい。


「!、…あそこなら良さそうだね」

「ええ、ようやく尾獣を捕まえたんですねェ…」


チャクラを集中させれば、アジトに意識が飛んだ。
視界を動かせば、どうやら今度人柱力を捕獲したのはデイダラとサソリらしい。さすがの人柱力もあのコンビには勝てなかったみたいだ。


「これから三日三晩かかる。皆、本体の方にも気を配っておけよ」


三日、とは中々骨が折れそうだ。尾獣の力を手に入れるのにはそうそう簡単には行かないってことなのかな、抜けた大蛇丸の分もあたし達が担ってる事と追手を撒く事もいれて四日ほどと考えてもよさそうだ。


「封印術・幻龍九封印!」


リーダーの術に一尾の人柱力が苦しそうな声をあげ始めて、その声が酷く辛そうで無意識に歯を食いしばった。ここに実態が無い事に安堵しながらゼツによる報告に小さく舌打ちを鳴らした。


「マイト・ガイ…、体術を得意としている木の葉上忍です。かなりのやり手だし甘く見ない方がいいよ」


ゼツの報告にそうつけ足せば、鬼鮫は思い出したようで小さくあの珍獣ですね≠ニ呟いた。リーダーは少し考えたあと「あの術をやる」と言いだしたところで少し空気がざわめいた。けれどそれも一瞬で、鬼鮫が立候補したことで納得はしてなくてもおさめられた。


「やれやれ…やっと、」


――あの時の蹴りの借りが返せそうですねェ


鬼鮫の空気が歓喜に揺れるのをしっかりと感じた。


130211

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