処刑台の主役 | ナノ


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カカシさんは確かに写輪眼をうまく使っていた。けれど所詮紛い物は血族に勝てはしないのだ、アレはまるで昔のあたしで虫唾が走る


「血族の、写輪眼の力を見せてあげますよ。カカシさん」

「アスマ!紅!!ヤツの目を絶対に見るな!!」

「写輪眼でなら対抗できる、そう思っているなら…ソレ、勘違いですよ」


写輪眼を使うだけでも体を酷使するカカシさんには、さぞかし辛い状況なんでしょうね。それでも仲間を守るその姿は実に木の葉の人間らしくて甘ったれで反吐が出る。こんなにも生ぬるい世界消えちゃえばいいのに。


「幻術"月読"は同じ血を持つ写輪眼使いだけにしか倒せない」

「‥‥!!」


ここはあたしの世界、あたし好みの綺麗な場所。誰の干渉も許可しない。唯一できるのはうちはの人間だけ、だからカカシさんは絶対に抵抗できないんですよ

「ここではあたしが全てを支配する。ですからカカシさん、これからあなたは72時間あたしに何度も殺されるんです」

あたしの手にカカシさんの深紅(アカ)がついた。そこからまるで浸食していくようにあたし全体を呑みこんで融けて混じっていく、最後にカカシさんと目があった。綺麗な紅色、目を見開いた大好きなうちはのしるし。



「あの術を喰らって精神崩壊を起こさぬとは…しかしその眼の多用は名前さんにとっても危険、」

「…そうね」

「随分えげつない事するようになったな…、それも"暁"のせいか?」


ほらね、ほら、知らなければ幸せだったのに。自分から不幸せになりたがる人ばっかり。ここの里ってみんなそう、それって愚か者のすることなのにほんとう、バカばっかり


「鬼鮫…、カカシさんは連れていくよ。他の方は…そうだね、消えてもらおうか」


あたしが言い終わると同時に走り出した鬼鮫を眺めていると何かが物凄いスピードでこちらにくるのが分かったけど声をかけるより先に鬼鮫が飛ばされた。
…まぁちゃんと受け身はとっていたし心配しなくても鬼鮫なら大丈夫だろう。


「何者です?」

「あの人はマイト・ガイ。甘く見ると痛い目に会うよ」


それにしても次から次へと湧いて出てくるね、ほんと。ガイさんが来たということは他にも増援が来ると考えて間違いなさそうだし…、本気で遊んでる場合じゃないかもね。


「鬼鮫、退却しよっか」

「‥‥せっかく、ウズいてきたのに仕方ないですねェ…」


収穫は十分にあったわけだし、カカシさんも暫くは動くことすらできないだろうしね。ああ、あたしも久しぶりにうずいてたのに残念だ。


130115

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