処刑台の主役 | ナノ


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写輪眼を持つあたしに幻術を掛けてくるなんてとんだ愚か者、もしくは嘗めてるとしか考えられない。たしかに夕日紅さんは素晴らしい幻術の才があるけど結局この瞳と比べたら明らかに劣るの。


「久しぶりだな…、名前ちゃん」

「そうですか?この間ぶりですよ…カカシさん」


あたしの背後からクナイを当てる男――カカシさんに返事をすれば彼は悲しそうに笑った。昔から変わらない、あたしを…イタチの妹を見るこの目。


「驚いたよ、怪しい人物がいるとは思ったけど…まさかうちは名前と、霧隠れの怪人干柿鬼鮫だったとはね」

「これはこれは…私の名前まで、光栄ですよ」


3対2。きっとこの相手がそこらへんの中忍や上忍なら鬼鮫一人でも余裕だったんだろうけどカカシさんが乱入してきた時点であたしが居ても勝算は低くなった。カカシさんは紛い物だけれど写輪眼を使う人間だし、気は抜けない。
それに本体はあたしの後ろに居るし…どうしようか


「再不斬の小僧はアナタとやり合ったと聞きましたが‥?」

「ああ…」

「ククッ……削りがいのある方だ…」

「…やめなさい、鬼鮫」


好戦的すぎるのも考えものだ。
制止の声をかけたあたしに皆が振り向いた。鬼鮫とカカシさんがやり合えば時間も被害もきっと大きいだろう、長居すればするほどあたし達に不利になるというのに、熱くなると短絡的になるところも是非直して貰いたいものだね


「目的を思い出しなよ。」

「…そうでしたねェ、危うく忘れるところでした」


真っ赤に染まるあたしの瞳を見て鬼鮫は嗤った。


130114

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