処刑台の主役 | ナノ


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大蛇丸が木の葉を襲撃したとリーダーから報告があった時、久しぶりに本気で殺意が湧いた。数日前にあたしの体の乗っ取りに失敗したからイタチさんかサスケに標的を変えたんだろうと思う。あの変態はやっぱりあの時に仕留めておくべきだったのかもしれなかった。


「お、おい名前!そんな殺気出してどうしたんだよ、うん!」

「別に…デイダラには関係ないよ」


冷たく言い放てば不貞腐れたデイダラにあの子が被って大蛇丸への憎悪が強くなった。火影が死んだ今、木の葉は壊滅的だろうし不安定な状態だ。そこへ付け込む輩がいないとは言えない今木の葉は警戒心が強くなるのは容易に分かる。


「名前、落ち着け。」

「…悪かったわ。」


もう随分と会っていないあの人と似ているようで似ていないあの目があたしを貫くものだからあたしは黙るしか無くて無性にもどかしくて歯痒かった。理不尽な殺気を浴びて落ち着きのなくなったデイダラを視界に入れれば申し訳なくて小さくため息が出た。
相変わらずあの子たちの事になるとどうしても自分を抑えることなんてできやしない、サスケはまだ弱くて脆いからこそ不安にもなってしまう。


「名前と鬼鮫には木の葉の偵察及び九尾の捕獲に行ってもらう」


リーダーの全てを見通したようなあの瞳は何故か逆らう気にはなれない。それにあのマダラさんがこの犯罪者たちの纏め役にするぐらいなのだからそれなりの実力を持っているに違いない。


「聞いたわね、鬼鮫」

「ええ勿論ですとも…ククク、確か名前さんの出身でしたねェ」

「何が言いたいのか分からないけど、その減らず口どうにかしたら」



口角をあげる鬼鮫を横目に記憶の中の彼らを再生した。


130114

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