処刑台の主役 | ナノ


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リーダーと呼ばれる男はペインと名乗り「手荒な事をしてすまない」と謝罪した。それに小さな違和感を感じながらも適当に返事をして外へと出た。冷めぬ興奮を一度冷ますまではしばらくじっとしておきたいというのにこちらへ向かう気配にため息が出た。


「そんな安い挑発には乗らないよ」


首に沿う男の武器を感じながらも、目線を変えずそう言い放てば空気が変わったのにまたため息が出た。


「あなたとは是非手合わせをしてみたいものです」

「‥あなたはどのような戦闘スタイルを?」

「ああ、失礼。私は干柿鬼鮫です、鬼鮫でいいですよ。」


そう言ってさらに首へと武器を近づける"干柿鬼鮫"は殺気こそ消えはしても纏わりつくような空気があたしを興奮させる。


「霧の忍刀七人衆の…、」

「おやご存じでしたか、これは光栄ですねェ」


先ほどの戦闘の時から鬼鮫は殺し合いというものを好む傾向にあるように感じられてあまり好い印象は受けない。いや、もしかすると同族嫌悪に近いものなのかもしれないけれどあたしにとって限りなく苦手な対象でしかない。
だから拒絶という感情を隠すことなんてしなかったんだと思う。


「おやおや、先ほどの事が気に食わないですか」

「別に。」

「まぁそんな事はどうだっていいんです、アナタが仲間を殺したという噂は聞いてますよ」

「へえ…」

「ククク、冷たいですねェ。アナタの事はよく分かりますよ…だからこそアナタと組むことにしたのですがね」


あたしを分かるだなんて随分おかしな事を言う人だ。マダラさんも前もって言ってくれればいいものを…きっとどこかであたしの在り様を嘲笑っているんだろうけど、


「同胞を殺すあの感覚はとても口で言えるものじゃありませんよねェ…?名前さん」

「…あたしの事を分かるなんて変な人ね。まぁ自分で何も決められないようなごろつき風情ですものね…、ねェ?」


殺気に塗れた空気は心地が良い



130113
title:驕児

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