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最近サスケが一段と修行に励むようになった。
父から認めて貰ったとはしゃいでいたサスケはどこに行ったのだろうと思う程、今は兄であるイタチ兄に少しでも追いつこうとしているようにも思えた。
そしてあたしも、あの日の涙に誓ってから修行の量を増やしている。その甲斐あってか中忍に無事なることが出来て良くも悪くも忙しい毎日を送っているのだけれど。
「今日も精が出るね」
「あ、カカシさん。お久しぶりですね」
少し前にイタチ兄を良く思っていない人たちに絡まれてたあたしを助けてくれてからカカシさんはよくあたしの様子を見に来るようになった。
初めてあった時の印象はあまり良くなかったけれど今では頼れるお兄さんのような存在だ。色々変だけど。
「そんなに強くなってどーすんのよ?」
「弱いから強くなるんですよ?」
へへ、と誤魔化す様に笑えばカカシさんは目を細くしてあたしを射ぬいた。でもそれには気付かないふりをして、あくまであたしは純粋に修行をしているふりをする。
カカシさんは驚くほど勘が鋭いから困るのだ。
「名前ちゃん、この間も言ったけど"イタチの妹"っていう肩書きなんて気にしなくていいんだよ?」
「気にしてないって言ったら嘘になりますけど、そんなに重くないですよ?」
「重く‥ってねぇ」
そう言って困ったように笑ったカカシさんになんだかこっちも申し訳なってしまう。カカシさんはあたしの事を純粋に心配してくれてるのはわかるけれど本当にイタチ兄の妹っていう肩書きに関しては気にしてない、ただ重くは無いけれど軽くはないなぁとは思うぐらいで。
「それに、こうやってカカシさんがあたしの事を気にかけてくれるからあたしは大丈夫です」
畏怖と嫌悪、憧れと期待。
あたしの周りにはそんな感情が取り巻いている。だからカカシさんみたいに純粋に"心配"してくれる人をあたしは大事にしていきたいし嬉しく思う。
「あらら、ずいぶん嬉しい事言ってくれるネ」
「えへへ、だめでした?」
「いーや?嬉しいよ」
目を弓なりに沿って微笑み、頭を撫でる大きな手はとても暖かくて思わず頬を緩ませればぎゅっと抱き寄せられて吃驚するのと同時に、やっぱり少し引いた。
「…カカシさんって相変わらずですね」
「いやだってさー、アハハ」
第二印象は怪しい人+α(優しい人)
120612
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