処刑台の主役 | ナノ


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幾分か年上の人達との卒業試験も容易に終わり無事下忍となったあたしは任務を受けるようになった。人手不足の今は下忍になりたてのあたし達にもBランク任務やAランク任務も転がり込んでくるからたまったものじゃない。
とは言っても、そのおかげで無事開眼することが出来たのだけれど、喜ぶべきかどうかいかせん悩みどころだ。


「姉さん!!今日こそ修行に付き合ってよ!」

「あー…サスケごめん。これから任務なんだ。明日は休みだから明日じゃだめかな?」

「…っ、姉さんもうそつき!!」


大きな瞳に涙を溜めて部屋へと走って行ってしまったサスケに伸ばしたあたしの手は空をきった。アカデミーを卒業したばかりとはいえ甘えなど一切許されない忍の世界だ。‥仕事をするという事をサスケに理解してもらうのはまだ無理なのかもしれない、そう溜息を一つ溢して家を出た。

体術に自身の無いあたしは、それを補うために剣術でカバーしている。人を切ることに躊躇は無いけれど慣れる事はまだ出来ない。


「任務完了しました。」

「よ、よし!里に戻るぞ!」


班の皆はあたしの写輪眼とうちはの名を恐れる。それに関しては対して何も思わないけれどあからさまに視線を合わせないようにする態度や写輪眼のせいで(お陰ともいうのか)表情を読むことに長けてしまうので不安や畏怖がありありと読めてしまうのは少し残念にも思う。
彼らを脅えさせない為にも標的を始末した後はすぐに瞳を元に戻すようにしているのだがあまり気分はいいものじゃない。


「ご苦労じゃった。第2班の任務はもうよい、各自次の任務まで待機じゃ」

「御意。…お前ら次の任務が入り次第連絡する。今日は解散だ」


火影様と担当上忍の命にそそくさと部屋を出ていく班の人達を見送ってあたしは火影様を見据えた。


「なんじゃ名前?わしに用かの」

「ええ、…申し訳ないですが少しお時間を頂けますか。2人きりで話をしたいので護衛の皆さまも下げていただけると嬉しいのですが」

「…なんじゃあまり良い話じゃなさそうじゃの。皆の者暫く席を外してもらって構わん」



さて、これからどうするか。


120610

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