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目を開こうとしたけれど、涙で肌がはりついてヒリヒリと痛みがはしって、また、少し涙が出た。
あとちょっとだけ
名前ねーちゃんとの生活ですっかり習慣付いた、起きてすぐの顔洗いと歯磨き。
オレの中で名前ねーちゃんは、大きな存在になっていて、居ないと寂しくて、怖い。
―…前は平気だったのに
また名前ねーちゃんを思い出して、鼻がツーンとしてきたときインターホンが鳴り響いた。
「‥だ、だれだってばよ?」
「ナルトくん?悪いんだけど火影様が御呼びだよ」
ドアを開ければ、顔の半分以上が隠れた怪しげな人が居て、思わずドアを閉めようとしたら、足で抑えられてしまった。
今度は逃げようと考えたけれど、慌てた声で「オレ怪しい者じゃないから!」と言うからドアから半分顔を出して怪しい人を観察する。
「…火影のじぃちゃんが、オレに‥ってば?」
「そーだよ、火影様が、キミに」
まだ疑惑の目を向けていたからか、怪しい人は呆れたような、困ったような溜息をついてしまった。
――‥でも、怪しい人についていくなって、…名前ねーちゃんが
「オレは、名前の古くからの知り合いで、この里の上忍だよ」
「‥ねーちゃんの、ともだち?」
名前ねーちゃん、と言う言葉に食いつけば、疲れたように「火影様の所へ行こう。」と手を出されて、情けなかったけど、ビクビクと手を握ってじぃちゃんのとこまで連れて行ってもらった。
――…鍵、掛けてないってばよ‥っ!!
111210
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