06
「長期任務…ですか」
「ナルトの件はわしに任せてよい。」
「‥わかりました」
「お主にしか出来んのじゃ、頼んだぞ」
「御意」
ゆびきりげんまん
久しぶりに任務が来たと思ったらおよそ1ヶ月という長期任務だと言うのだ。
さて、ナルトになんて説明をしようか、
「い‥いっかげつ‥」
綺麗なブルーの瞳を潤ませて私の腰に張り付くナルトを慰めながらどうしたものかと考える。
任務の話をすれば予想以上に落ち込んでしまったナルト。それでも任務ならば仕方ないと諦めて貰うしかない。それに火影様曰く私にしか出来ない任務だそうだからなおさらだ。
「なるべく早く帰ってくるよ」
「ぜったいだってばよ?」
「うん、約束するよ」
そう言えば漸く納得したように笑ったかと思えば、また不機嫌な顔になって「ん!」とだけ喋って小指を突き出した。思わず噴き出した私に更に不機嫌になって何度も小指を突き出してくるので自分の小指をナルトの小さな小指に絡ませた。
「ゆびきった!」
ナルトが腕をブンブンと振るので小指で繋がった私の腕もつられて揺れる。あんまりにもナルトが嬉しそうなので好きなようにさせることにした。
「今夜、里を出るからそれまでは一緒に居ようか」
「ほんとか!?オレさ!オレさ!名前ねーちゃんに手裏剣の練習見てほしいんだってばよ!」
「そうね、それじゃ演習場へ行こうか」
私がそう言った途端、私の腕をとって半ば引きずるように演習場へと連れてこられた。私ってこういうの多い気がするのは気のせいかしら。
演習場に着いて早々、私に手裏剣を一枚手渡して「見本を見せて」と頼まれれば、息子の為にと張り切ってしまう私はもう立派な過保護な母親だ。
「投げる時、腕は真っすぐにするのよ」
「おう!」
ゆっくり何度も見本を見せて身体で覚えさせるとめきめき上達するナルトは実に教え甲斐がある。出来の悪い子ほどかわいいものだ。
気が付けば陽も傾いていて、「そろそろ帰ろう」と声を掛ければ渋々ながらも私のそばに近寄って手を取った
「名前ねーちゃん。もっといっしょにいたいってばよ」
「(…可愛い)」
これは、何としてでも早く任務を終わらせなければ。
「やくそくやぶったら、」
「破ったら?」
「‥‥1日ずっとオレといるってばよ!」
「…(破ろうかしら)」
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