心と体
2014/04/17 23:27


「ば、あっ、あぁっ」
深く全てを奪い尽くす様に。
自重と砕けた腰とで思い切りその部分を中心に掛けられた体重に美しい空色の瞳からほろりほろりと涙がおちた。
はたはたと胸におちるその雫がとても綺麗で、力なく首を振る様にぞくりと背中が粟立つ。

征服したい。
自分だけを見て欲しい。
泣いて震える彼女に縋らせたい。

「ひ、あっ、あぁ、んぁ・・・あぁっ」

深く埋まった己の欲望を飲み込み、身悶える。
ぐりぐりとより腰を寄せれば、行き止まる場所があって

「やぁっ、やだ!や、あっやぁ」

背をのけぞらせて快楽に流される姿さえ綺麗だ。

「名探偵。名探偵」

乞う様な響きの不様な自分の声が聞こえる。
まるで自分ではない誰かが呟いた様な声。
高揚する自分とは裏腹に、絶望と後悔に苛まれた縋る様な・・・

「あぁん、んっ・・・んん」

がぶりと肩に噛みつかれた感覚。
じりじりと痛みを伝えるそこはもしかしたら血が出ているかもしれない。
基本的に声を殺して快楽に堕ちる彼女を、今日は無理矢理上に乗せて声を出させた腹いせと、声を耐える為の噛み場所として選ばれたらしい。

彼女に縋られている。

そう考えた瞬間、最奥の行き止り部分で熱が弾けて頭が真っ白になるような快感。

「・・・っ、く」
「んんんぅ」

互いに体をびくりびくりと震わせて絶頂感を味わいつつぼんやりと思う。



(早く彼女が孕んでしまえばいいのに)




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