工藤君に
2013/12/10 22:31




「あっ、ばか、・・・うごくなぁっ!」
ブブブブブ
狭いロッカー内に響くバイブ音。


閉じ込められた密室内で、向かい合ってお互いの右足を挟みこむ様な格好でやや中腰ぎみの俺達二人。
何の因果か、学校と言う至極プライヴェートな空間内で遭遇してしまった裏の顔の知り合いと、不躾な客人たちの乱入による逃走劇。
流石は天下の怪盗と、史上最強の高校生探偵。
二人合わされば逃げ切るなんて楽勝で、危機がさって安心した直後に平和ボケした警備員の怠慢により狭いロッカーの中から出れなくなってしまったのである。

そうして今現在。
呆然と解決策を考えていたろ頃、多分俺の不在を心配した幼馴染からの電話によって、右足のポケット・・・つまり工藤の股間部分に密着したソコから絶え間ないバイブレーションが響いているわけで。

「んっ、・・・ぁ、はぁ、ん、んん」

口元を抑えながら、耐える様に喘ぐ声が逆に卑猥に響いて自然と呼吸が荒くなる。
耐えられないと言う様に逃れようと工藤が身を捩る度に、別の角度から刺激してしまうようで俺の腕を掴む指が震えた。
(どうしよう、やべぇな、どうしたら・・・)
さっきから同じ事しか考えられない。
腐れ縁の様なものだと散々思って、会うたびに面白くはあったが嫌そうな顔をしてしまっていた相手の痴態。
それが見事に下半身を直撃して死にそうだった。

「あぁっ、あ、っぁ・・・ふぅっ」

震える様が可愛くて、色っぽくて、ロッカー内に漏れた光が白い肌が薄いピンクになっている様を照らした。
(舐めたい、齧りたい)
男にしておくのはもったいない位肌理細かで美しい白肌。
無防備に晒されたうなじからは尋常じゃない色気と、石鹸の様な香り、それから少しだけ甘さを含んだ体臭がかおる。
(キスしたい、快感で何も分からなくしてぐちゃぐちゃに・・・)

「なぁ、工藤」

いつまでも鳴りやまない携帯に、泣きそうになった顔が俺を見る。
(あぁ、啼かせたい)
するりと形のいい腰から尻にかけてを撫でれば、
「ひぁっ!」
びくりと体を震わせて縋る様に倒れこんでくる。

「俺のものになってよ」

ごくりと喉を鳴らしたのが、どちらだったかなんて分からない。
俺はそっと、故意に震わせ続けていたケータイの電源を落とした。








快斗の一人称でありつつの、実は最初から欲しかったんだよ!
工藤すきすきキッドの仕業でしたとさ\(^o^)/
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