宝石とさよなら | ナノ


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陽も落ち、当たりが明かりに照らされた雪の白と暗闇の紺で埋め尽くされても我愛羅たちはまだ帰ってくることはなく、数十分ほど前に起きだしてきたナマエは不安に駆られていた。
サソリから聞いた為チクマに通信を繋げることもかなわず、じっと座卓の前でサソリの作業を見ているがやはりどこか落ち着きがない。
とっくに会談は終わっているような時刻なのにまだ膠着しているのか、はては何かあったのではないのだろうかと不安に駆られるナマエにクナイでも磨いていろと布をこちらに投げてきたので、顔でそれを受けるとおとなしく磨きだした。


「砂の者、遅くなってすまなかった。開けてもよいかな?」
油断していた二人がミフネの声に肩をビクつかせ吃りながら了承する。
サソリも胸のパーツを閉じかちりとはめ込み合わせると、急いでフードをかぶった。
顔布は外していなくてよかったと内心安堵しつつ、それを悟らせないようチャクラの乱れを整えた。
「会談は終わっていたのでござるが処理が遅れてしまった」
「大丈夫ですよ。会談の方はどうなったんですか?風影様が帰ってきてないので私共は話が聞けていないのです」
「タガヤ」
「はい。こちらも多分細かな仕様は違うが通信術を持っているのでな。良い知らせと悪い知らせ、二つの会談での内容を伝えようと思う」
そう前置きし、タガヤは袖から出した分厚い手帳を該当ページまでめくりナマエたちへと向き直った。

「先によい知らせの方。お前たちが狙っていた通り、とりあえず木の葉以外の忍四大国は忍連合軍を作ることが決定した。そして我々鉄の国もそこに加わる」
「ああやはり。でもそのほかがまとまってくれてよかったです。それで、悪い知らせというのは?」
「戦争がはじまる」
うわぁと隣で声をあげたサソリがタガヤに「誰がそれを言った?ゼツか鬼鮫か?」等尋ねているが、ナマエの頭はその聞きなれないワードに煙を上げていた。


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