宝石とさよなら | ナノ


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「我愛羅様、ただいまからチクマに変わりまして私シュデンが速記いたします」
「……わかった、頼むぞ」

我愛羅事態は物覚えが悪くはないのだが、まだ若造と言われるような年齢の……元人柱力の風影が信用されることは今までも少なかったため会談にはだいたいチクマや月の桂の一族が付いて回ると決めていた。
今回はチクマが向かう予定だったのだが綱手が倒れ急遽ダンゾウがその位についたと聞き他の月の桂に止められたのである。
元々木の葉でそれなりの勢力を培ってきていた月の桂が各国に散り散りになった原因が、この志村ダンゾウにあるからだった。
木の葉の情報を持って命からがら国外逃亡した自分たちが再び狙われるのは目に見えていた。次期族長予定のチクマは先日も狙われ肩を切られたばかりだった。
テッカンが飛んでいかなければ死んでいたかもしれないというのに情報狂いの彼女は悔しがった。
苦肉の策としてチャクラを膨大に使用する手段により会談情報の取得をいち早く行おうとしていたのだが、あのうちはマダラだと名乗った男が出てきた瞬間黙り込んでしまった彼女を案じる。
救いなのはシュデンが淡々としており緊急事態でないらしいと察せることだった。我愛羅はチクマへの心配を言葉にはせず心の中にとどめておくだけにし、注意を影達の場へと向けた。


羅砂の時代から通信対象者を広げてきたおかげでチクマのパイプは砂の人間たちへ幾重にも繋がっている。
アンテナ塔の役割を一手に引き受けた彼女は一瞬で膨大なチャクラを持っていかれ膝から崩れ落ちたが、何とか椅子の上にまで這いずり通信先の人間たちに“うちはマダラ”と現在ナマエがうまく取り付けたらしいカプセルから取得した“写輪眼”の情報を持っているだけ教えてほしいと焦ったように口にした。
別の任務に就いていたマジュとオウメイは体調であるチクマの声に頷くと、里の禁書庫へと駆け出して行った。


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