宝石とさよなら | ナノ


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それは突然の訃報だった。
近々開催予定の件の五国会議に持っていくための課題と配置を上役たちと事前に話し合う場に直属の部下三人とナマエとサソリを連れてきて後ろに控えさせた我愛羅は会議も半ばになったころ飛び込んできた伝令の忍に耳を貸して「自来也様とイタチが死んだ?」と伝令の言葉をそっくりそのまま繰り返した。
あの自来也様が……?とざわつく場をバキが収め伝令役に何があったんだと詳細を尋ねれば、あちらの伝令も急いでいたのか文の余白が不自然でと口ごもらせた。
「いろいろ調べたのですがこれ以外に何も出てこなくて、一端月の桂に回したのですがチクマ様に持っていくようにと言われました。これを……」
「ありがとう、でもうちのやつらで出なかったらたぶん情報はこれだけだな」
自来也殿と綱手姫は同期だと聞くが伊達に年を食ってはいないし私情を切り離して考えられるし気の凋落で書けなくなったとは考えにくい。
何かあったと考えるのが妥当かとぱらりと渡された文を覗いたところで我愛羅直属の三人よりさらに後ろに控えていたサソリが「イタチ?」と反応を示した。
砂ではあまり覚えのない名前だったがそういえば暁の構成員に木の葉の抜け任でうちはイタチとかいう……?
「うちはイタチか!?」
「えっと、多分そうで……」
「しばらくずっと調子悪そうだったがとうとうくたばったのか、死因は?爆死か?」
隣でなぜそんなに限定的すぎる死因を考え付いたんだと小さく突っ込むナマエをいなし、我愛羅とチクマに伝令を届けに来た忍に尋ねる。
死体か?死体が欲しいのか?と答えないだろうことがわかっていながらさらに小さく突っ込んでいくナマエに案外話を聞いてくれていたらしく「そもそも暁は社会不適合者の集まりだ、仲間割れしない方がおかしいと思わねぇか?」と足を組みなおして答えたため確かにと考え直し頷いた。
そんな二人の会話を聞き逃していなかったチクマが暁への情報をこっそり脳内で更新した後、確かイタチと鬼鮫は木の葉担当だったかな?と後ろを見ずに問いかける。
それは今案での木の葉との文でわかってるだろうし今言ってもしょうがないだろうと指摘するサソリに君のあとではいつになるかわからないからね、なるべく早くにお願いするよと肩を竦め、辺りを見渡した。
こちらの回答を期待する皆の目に気づき、走り書きから見ても綱手姫が焦っていたのは感じられるし両人の死から、私は今の時点ではまだはっきりしないが木の葉が襲撃されたと踏んでいると結論付けた。



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